レポートにおける時系列の比較

このセクションでは、メトリックスの変換の使用方法について説明します。

データアナリストが、SalesForce CRM からの会社の売上データの概要をわかりやすくするために、販売ディレクター向けに時系列の比較レポートを作成する場合を考えます。 

時系列の比較レポート

始めるに当たり、こうした種類のメトリックを MAQL (GoodData クエリ言語) で作成する方法に関するデータサンプルの知識が必要です (MAQL (Multi-Dimension Analytical Query Language) についてはMAQL を使ってメトリックを書き始めるを参照)。 売上分析で最も単純なメトリックの1つである Amount[SUM] から始めましょう。 このメトリックは、Sales Analytics App であらかじめ既定として定義されており、最後のスナップショットにおける全商談の合計額を計算します。 スナップショットの詳細については、「履歴データによって変化する分析(スナップショット機能)」を参照してください。

次のメトリックをレビューします。

SELECT Amount[SUM] FOR Previous(Quarter/Year(Closed)) SELECT Amount[SUM] FOR PreviousPeriod(Quarter/Year(Closed))

1番目のメトリックは、過去の特定期間の数値を計算します。 このメトリックを基本的な Amount[SUM] と並行して使用し、Quarter/Year (四半期/年) と Month/Year (月/年) でスライスします。 このメトリックは、下に示すレポートで使用されています。

2番目のメトリックである FOR PreviousPeriod()  は、1番目のメトリックとは異なります。 FOR Previous ステートメントと FOR PreviousPeriod ステートメントの違いは何でしょうか? FOR Previous は日付ディメンションに接続しているため、日付ディメンションからの過去の期間に基づいて集約を行います。 この例では、同じ月でも前四半期からのものになります。 FOR PreviousPeriod は、レポート内のレコードに基づく過去の値を提供します。 下のレポートとテーブルの例を参照してください。

Previous ステートメントによる上記のレポートとメトリックは、Quarter (四半期) レベルに基づいています。 下のテーブルの例を見ると、この違いがより明確にわかります。

それはさて置き、両方のステートメントの内側で第2パラメータを使うこともできます。 これは、エンジンに特定の数の期間をスキップさせるための数値です。 これについても、下の例を参照してください。

SELECT Amount[SUM] FOR PreviousPeriod(Quarter/Year(Closed),2)
これを見ると、メトリック指定にパラメータを追加することにより、2四半期がスキップされ、該当する数値が提供されることがわかります。

または、別の特別 MAQL 機能を 2 つ使用して、未来の日付同士を比較することも可能です:「FOR Next()」 ならびに 「FOR NextPeriod()」 これら2つの構造体は、上記の FOR Previous()FOR PreviousPeriod() と同様に機能します。

年対日付のレポート

もうひとつの使用方法としては、年対日付のレポートがあります。 この特別な構造体を使用すれば、「This」(今日) または 「Yesterday」(昨日) を含むメトリックを作成できます。 次の例を見てみましょう。

SELECT Amount [SUM] WHERE Quarter/Year(Closed) = THIS 

このメトリックは、今四半期に終了した全商談の金額を返します。 また、THIS - 1 を使用することもできます。これは、PREVIOUS ステートメントと同じです。

また、これらのステートメントを組み合わせることもできます。

SELECT Amount [SUM] WHERE Quarter/Year(Closed) = PREVIOUS AND Day of Quarter = THIS

この例では、PREVIOUS は「Previous (Last) Quarter」(前の (直近) の四半期) を意味し、THIS は「その四半期の何日目かという形での今日」(その四半期の第 62 日) を意味します。