メトリックによる累計
Report Editorでコンテキストメニューをセカンダリクリックすることにより、累計を GoodData の各種テーブルに追加できます(スライスアンドダイスのダイアログでの累計を参照)。
XAE (Extensible Analytics Engine (XAE) - よくある質問) を使用して、累計をMAQL関数として追加することもできます。RUNSUM
キーワードを、MAQL のコア関数SUM
、AVG
、MIN
、MAX
に適用し、それぞれの累計を出すことができます。累計メトリックを書き、このメトリックの結果を、さらなる計算の他のメトリックの結果として使用できます。
たとえば、Quarter/Year (四半期/年) 属性でスライスした、Closed (終了) とWon (成約) 両方の全商談の合計額を追跡する場合を考えます。最初のレポート定義は、次のようになります。
What:
SELECT Amount WHERE Status=Won
How:
Quarter/Year (Snapshot)
これまでは、テーブルビューで、Report Editorのコンテキストメニューを使って累計を挿入できました。しかし、このケースでは、現在の Won メトリックを省略して、レポートに累計のみを棒グラフとして表示することを考えます。高度なメトリックエディターで、次のような新しい RUNSUM
MAQL 関数を作成できます。
SELECT RUNSUM(Won)
この新しいメトリックを RunWon として保存すると、結果は次のようになります。
比較するために、Running Total (累計) をコンテキストメニューのセカンダリクリックにより追加し、Running Sum (累積和) という名前の列に表示しています。Running Sum 列 (コンテキストメニューを通じて生成) と RunWon 列 (メトリックにより生成) は全く同じです。Running Sum メトリックと Won メトリックを削除して、レポートを棒グラフに切り替えると、次のように新しい RunWon メトリックのみが表示されます。
2011年のみを表示したい場合には、このメトリックが0から累計計算を開始しないようにする必要があります。レポートのテーブルビューに戻ります。[フィルター] タブでレポートフィルターを適用して、2011年と2012年の四半期のみを残すようにします。Quarter/Year (Snapshot) としてフィルターを作成し、この値が Q4/2010 (2010年第4四半期) にならないようにします。
上図では、年フィルターを適用する前と適用した後の結果が表示されています。青色のボックスを見てみましょう。図の左側では、Q4/2010 (2010 年第4四半期) と Q1/2011 (2011年第1四半期) を追加した後の累積値が表示されています。右側では、フィルターが適用され、累計が Q1/2011 の値から開始しています。フィルターを使ってメトリックによる累計が正常に機能しています。
前期 (この場合は前四半期) から計算したい場合には、RunWon メトリックに「without parent filter」句を追加する必要があります。
SELECT RUNSUM(Won) WITHOUT PF
AVG
、MAX
、MIN
の各関数でも、累計関数が使用できます。
現時点では、ディメンション性は1つの日付/時刻属性のみに (厳密に) 限定されています。しかし、この制限は、今後のリリースで修正される可能性があります。