ダッシュボードのプランニング

ワークスペースを正式に実装する前に、時間をかけてダッシュボードの視覚化を設計する必要があります。 GoodData で成功するには、最終プロダクトから始めて、そこから後方に作業を行います。

このチュートリアルの目的上、ワイヤーフレーミングのプロセスを実行する必要はありません。 このページは情報提供のみを目的としています。

多くのユーザーは、自分の役割で有意義な判断をするために必要な情報について、はっきりした考えを持っています。 この最初から最後までをカバーするアプローチをサポートするために、GoodData は、かなりの時間をかけて、ワークスペースの各ダッシュボードタブの視覚化を構築することをお勧めします。 このプロセスをワイヤーフレーミングといいます。

ワイヤーフレーミンのプロセスは、データの抽象的な流れを視覚化されたプロダクトに変換する上で重要なステップです。 作成したワイヤーフレームは、GoodData ワークスペースの基礎になります。 視覚化を通じて、レポートしたいことのイメージを作成します。 このイメージが明確になってから、実装チームはレポートの方法にフォーカスします。

  • 「What」は、ワークスペースのデータソースと主要メトリックに関する情報の集合体に相当します。
  • 「How」は、こうした情報の詳細をどのように表示するかに相当します。

視覚化が完了したら、各種ツールを使用して、前方や後方に作業を行います。

  • 前方向。 ワイヤーフレームを使用して、ワイヤーフレームプロセスの一部としてチームメンバーが経験した新しいメトリックや潜在的なレポートを試すことができます。
  • 後方向。 テクニカルチームは、ダッシュボードタブを個別のレポートに分割して、個々のメトリックに分割できます。 これらのメトリックは、ソースの属性やファクトに分解できるため、エンタープライズデータシステムからソースフィールドに遡ります。

ワイヤーフレーミングプロセスの概要

ワイヤーフレームを開発するプロセスは、次に一般的なステップで発生します。

手順:

  1. 重要なメトリックに優先度を付けます。 ユーザーが知りたいと思う主要メトリックはどれか。 その情報をレポートでどのように表示したいと思っているか。  これらのメトリックの優先順位リストを作成し、レポートでの表示方法を視覚化する必要があります。 これらをビジネスユニットに対応するバケットに細分化できます。 ビジネスユニットによって、ダッシュボードで重要なタブが異なる可能性があります。
  2. レポートのワイヤーフレーミングを行います。 ワークスペースで各ダッシュボードタブのモックアップを構築します。 ワイヤーフレームの構築を参照します。 レポートを作成するときは、 1 つのレポートを単一ソースデータセットにマッピングする必要があります。 ソースデータベースの外側でデータセットを結合しなければならない状況を作り出さないようにします。
  3. レポートフィールドをデータフィールドに一致させます。 各レポートの各フィールドは、データソース間のフィールドに一致させる必要があります。 この一致の過程で、フィールドのデータタイプがソースとすべての表示先レポートで一致していることを確認する必要があります。
  4. ユースケースのウォークスルーを行います。 レポートの各代表ステークホルダーがウォークスルーに参加し、どのようにレポートを使用して主要な意思決定を行い、そこからアクションを起こすかを示します。 レポートが決定的なアクションを実現する準備ができていない場合、ワイヤーフレームをレビューする必要があります。
  5. イテレーション。 次の要件が満たされるまで、ワイヤーフレームをレビューし、含まれるデータを検証します。  ソースデータは、レポートにデータを入力するのに十分です。  キーメトリックは、レポートでアクセスが簡単で、わかりやすく提示されています。  このレポートは、主な使用例を満たしており、レポートの主要ユーザーに対しては明確です。
  6. サインオフ。 ステークホルダーはワイヤーフレーミングプロセスをサインオフします。
  7. 要件グリッドに追加します。 ワイヤーフレームが承認されたら、すぐに参照できるように、要件グリッドの要件定義シートにワイヤーフレームを挿入する必要があります。

ワイヤーフレームを構築する

ワイヤーフレームの構築時には、実装チームが使い慣れた視覚化ツールを使用する必要があります。 次のことを主な基準とします。

  • そのツールは、社内的な議論の内容を熟知していなくても、皆が理解できる結果を出せるか? 直接関わっているチーム以外の人と視覚化を共有する場合、それらのコンテンツや使用法がわかりやすいか?
  • そのツールは反復ワークフローに使用できるか? ワーヤーフレーミング中に、プロセスの結果として変更を行うかどうかを決めてもかまいません。

以下に、GoodData の実装で成功しているワイヤーフレーミングの方法の一部を示します。

GoodData でサポートされるグラフ (チャート) の種類については、「チャートのタイプ」を参照してください。

ホワイトボードワイヤーフレーム

ビジュアルを迅速にプロトタイプ化するために、複数のワイヤーフレームをホワイトボードのイメージのシリーズとしてまとめることができます。 この方法を使用すると、レイアウトが重要であるか、さもなければ不明な場合に、迅速に開発を進めることができます。

欠点としては、データがホワイトボード上の単純な数値として表示されるため、この方法では基礎データへの接続をあまり示すことができないことが挙げられます。 また、ホワイトボードの数が無制限でない限り、別のワイヤーフレームで作業する場合には最初のワイヤーフレームを削除し、そのプロセスを繰り返す際に最初のワイヤーフレームを再構築しなければなりません。

ワイヤーフレーミングツール

リソースがある場合、ワイヤーフレーミング用に設計されたソフトウェアを使用すると、実装ワークスペースは大きなメリットを得られます。 利用可能なツールは、最適なビジュアル・ドリブン/データ・ドリブンな方法を組み合わせます。これにより、レイアウトのプロトタイプ迅速に作成し、ダミーデータをレイアウトに設定できます。 ビジュアルはソフトウェアオブジェクトとして保存されるため、標準化が可能です。また色の値などの主要コンポーネントをワーヤーフレームから抽出できます。

下図は、GoodData の多くの実装で使用されている視覚化ツール Balsamiq からのイメージです。

Balsamiq の詳細については、www.balsamiq.com を参照してください。

次の手順に進む前に、実装される予定の内容について合意を取り付るために、チームメンバーとワークスペースステークホルダーの全員がワイヤーフレームをサインオフする必要があります。

作成するレポートを特定する

ワークスペースの KPI とこれに関連するディメンションの定義が完了したら、ワークスペースで作成するレポートの特定を開始します。

GoodData では、基本のユーザーアカウントはダッシュボードへのアクセス権はありますが、レポートページへの直接のアクセス権はありません。 レポートをベースラインの閲覧者の役割に対して定義する場合、ダッシュボードの1つ以上のタブにこれらのレポートが表示される必要があります。

レポートを指定する際には、閲覧者に対してレポートが何を表示するかを定義すべきです。

  1. ソースの KPI を入力します。 KPI データを抵抗しているソースシステムを特定します。
  2. KPI に適用するメトリック計算 (SUM、MAX、MIN、AVG、COUNT) を定義します。 GoodData Report Builder では、この情報がレポートの [What] タブに設定されます。
  3. レポートのスライスに使用する属性を特定します。 これらの属性は、メトリックと個別に関連付けているディメンションです。 GoodData Report Builder では、この情報がレポートの [How] タブに設定されます。
  4. レポートをフィルターする方法を特定します。 属性値のリスト、ランク付け、数値範囲、またはユーザー定義変数によるフィルターなどのオプションが可能です。 GoodData Report Builder では、この情報がレポートの [フィルター] タブに設定されます。 この段階ではこの情報が不明な場合があります。
  5. これで、各基本レポートと依存関係の定義が終わりました。 この情報の集合体は、ワークスペースのデータモデル全体を定義する際に優れた最初のパスを提供します。
  6. 次に、レポートをグループ化して各種ダッシュボードタブに含めます。 ダッシュボードタブは、1つ以上のレポートを含む、GoodData ワークスペースの1つの画面です。

この指定では、各レポートについて次の情報を一行で特定します。

フィールド説明
カテゴリレポートが表示されるダッシュボードタブ
レポートレポートの名前
Priority (優先順位)レポート作成における優先順位。 このフィールドは、要求レベル (must (必須)、should (推奨)、might (可能) など) や作成の順序を示すのに使用されることがあります。
データソースレポートのデータを提供するシステムです。 必要に応じて複数のデータソースを含めることができます。
Calculation (計算)レポートの基本的な計算。 この計算には、レポートのスライスに使用可能としている属性 (ディメンション) を含めるようにします。
フィルターレポートを定義する際には、レポートのスライスに使用するデータを考慮する必要があります。 たとえば、Opportunity (機会) のレポートを地域でスライスする場合、この列でそれを示しておきます。
Notes/Questions (メモ/質問)その他の情報やレポートに関する未解決の問題をリストしておくいます。
Mock-Up (モックアップ)ワイヤーフレームが完成したら、簡単に参照できるようにこの列にスクリーンショットを挿入しておきます。