ダッシュボード設計のヒント

GoodDataは、効率的なダッシュボードの作成するよう、多くの組織を支援してきました。 その経験から言えることは、ダッシュボードの設計は、単に最も重要なビジネスメトリックを1つの画面に盛り込むだけではないということです。 以下に示すシンプルな設計原則を守れば、ダッシュボード閲覧者がデータを利用しやすいような形へと、設計を着実に向上させることができます。

1 - シンプルにする

ダッシュボード設計者の最終目標がすぐに利用できる情報をビジネスユーザーに提供することだとすれば、ユーザーのニーズを考慮することが重要です。 このためには、重要な情報をユーザーが把握する上で障害となる重要度の低い情報を除外することが必要です。 また、これにより、ダッシュボード上には空きスペースが生まれます。

場合によっては、空白とわかりやすくグループ化したオブジェクトを組み合わせるだけで、ダッシュボードオブジェクト間の関係性を十分示すことができます。 これ以外にも、シンプルで目立ちすぎない線、図形、ヘッダーは、ユーザーエクスペリエンスを妨げることなく、ダッシュボードの構造に付加価値を与えます。

2 - フォーカスを明確にする

最善のダッシュボードとは、特定の目的を持つものです。 最善の設計では、フォーカスする領域を目立つように定義し、それを守ります。

プランニングの段階で、ダッシュボードの残りの部分の構築に使用する主要なレポートやメトリックに関するアイデアを絞り込みます。 この節目で障害にぶつかった場合には、設計に組み込むべき追加要件が明らかになることがよくあります。

3 - タブでストーリーを語る

各ダッシュボードのタブは、コンテンツを戦略的に区分する上で便利なツールです。

  • 深いダッシュボードでは、ユーザーは多数のレポートの間を何度もスクロールしなければならず、情報解析ツールはほとんど提供されません。
  • 浅いダッシュボードタブ (囲いをほとんど越えない) は、ダッシュボード全体でさまざまな情報を見て回る感覚を呼び起こします。

タブを設計する際には、ユーザーが答えを探している質問の論理フローを満たすように、タブの配置を検討すべきです。 適切に編成されたダッシュボードタブは、ユーザーの手に力を与えます。ユーザーは、設計者が作り上げた構造に従いながら、自分のペースでデータ全体を移動することができます。

4 - 視覚エフェクトを賢く選択する

情報をユーザーに伝えるチャートのタイプを選択するためのベストプラクティスをいくつか紹介します。

詳細については、チャートのタイプを参照してください。

ヘッドラインレポート

ヘッドラインレポートは、パフォーマンスの大まかな概要を示すことができるように、ダッシュボードタブの最上部に置くのが一番です。 より複雑なレポーティングは、ダッシュボードタブの下の方に配置するとよいでしょう。

円グラフ

値の比較で正確さが求められる場合には、円チャートを使わないようにしましょう。 ラベルがないため、事実がゆがめられるおそれがあります。 当然のことながら、円チャートは全体に占める割合を表すのに適しています。ただし、この割合は、すべての値の合計が100%であることを示すラベルを付けた棒チャートでも表すことができます。

散布図

散布図は、2つのメトリック間の相関を表すのに適しています。 

3つめのメトリックを導入する場合には、(各データポイントのサイズで表す) バブルチャートに切り替えます。

ブレットチャート

クォータに対する現在のステータスを表す場合には、従来から「速度計」や「温度計」形式の視覚エフェクトが使用されてきました。しかし、ここでは、ブレットチャートが持つ線形のシンプルさを優先させましょう。

ヒートマップ

条件付きフォーマットのルールを追加すると、テーブルから優れたヒートマップを作ることができます。

5 - ブランドを統合する (Webコンテンツを埋め込む)

ダッシュボード設計の目的が顧客対応サービスであっても、社内の分析ソリューションであっても、ブランドをダッシュボードに統合することにより、シームレスなユーザーエクスペリエンスを作り出すことができます。 ユーザーは、見た目が美しく魅力的なWebサイト、アプリケーション、ソフトウェアに慣れてきており、ダッシュボードにも当然同じことを求めています。

最も重要なのは、エンドユーザーに役立つビジネスデータです。そこから関心をそらすような節度のないカスタマイズなら、少し磨きをかける方が望ましいと言えます。

  • Webコンテンツウィジェット (ダッシュボードを構築するを参照) とカスタム埋め込みツールを使用して、ロゴ、アイコン、カスタムテキストスタイルのほか、グラフィック、動画、Webページそのものをダッシュボードに追加できます。 さらに、ライブフィード (ニュース、Yammer、Twitterなど) やサードパーティ製のウィジェットを埋め込むこともできます。
  • 設計ラボには、ダッシュボードに注目を集めるのに効果的なボックス、テーブル、アイコン、ヘッダーのライブラリが用意されています。 詳細については、ダッシュボードのレイアウトアセットを参照してください)。

あともう少しです!

時間に制約がある上に、多くの利害関係者を喜ばせようとすると、何もかも詰め込んで全く使いこなせないダッシュボード作成に戻ってしまうことがよくあります。 プランニング、レポーティングのベストプラクティス、スタイリング、ユーザーの目的達成を助けるフォーカスの明確化をしっかり行えば、だれでも、幅広く利用できる優れたダッシュボードを作成することができます。